隊長たむの、 「あくまで私見ですが。」

フィルムコミッションを始めた書店員主婦のよもやま話

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稀代のワルたちが住む、小金井の屋敷?!



東京都小金井市と聞いて、都民でもピンと来ない人は多いだろう。
新宿から中央線で西に約20分のベッドタウン。
住みたい町ナンバーワンの常連、吉祥寺のすぐ先だ。

とりたてて特徴のないその市に、稀代のワルたちが住む屋敷がある。


1人目は、「閣下」と呼ばれる元外務省事務次官。
殺人を犯すも、超法規的な司法取引で保釈となった大悪人

2人目は、防衛庁長官と運輸大臣を歴任した元大物政治家、伏見享一良。
自身の着服を隠すため、元SAT隊員に命じて何人も暗殺させていた極悪人

3人目は、日本政財界のフィクサーと呼ばれていた黒幕・譜久村聖太郎。
自らが自殺に追い込んだ男の娘を手籠めにし、殺して自宅の庭に埋めた大悪党

彼らは皆、桜の大木と高い塀に囲まれた、築100年近い小金井の大邸宅に住んでいる。
3千坪の庭園をそなえた純和風建築のその屋敷は、周辺住民にこう呼ばれている。


「大森邸」


大森邸外観


この屋敷、当初は都心に住む資産家の別荘として建てられたようだ。
明治末期から大正にかけて、このあたりは別荘地として人気があった。

東京の西、武蔵野には、高さ10~20メートルほどの崖が東西に走っている。
これは、古代多摩川が台地を削り取ってできた地形で、国分寺崖線(通称ハケ)と呼ばれる。
中でも小金井市は、その崖がちょうど市の中心部を横切り、湧水が豊富な場所だ。
資産家はこぞって、「ハケ」と湧水をとり入れた庭園つきの別荘を建てた。

高度経済成長による急激な人口増と宅地化を受けて、当時の別荘は現在ほとんど残っていない。
大森邸のほかには、「滄浪泉園(そうろうせんえん)」という都が管理する緑地があるぐらいだ。

大森邸の周囲は閑静な住宅街で、庭園の南側は崖っぷち。
うなるほど金を持っている悪の親玉たちには、ぴったりな住まいである。

088.jpg


さて、さっきの3人のワルども。
実はすべて、テレビ朝日の人気ドラマ『相棒』の登場人物。
過去14シーズンのうち、大物悪党3人はすべて大森邸に住んでいたのだ。

そう、ここ大森邸は、小金井が誇る都内屈指の「ロケ地」
都心から車で30分の立地の良さも手伝い、ロケの依頼は引きも切らない。

『ハゲタカ』『SPEC』『セカンドバージン』『リーガル・ハイ2』『掟上今日子の備忘録』等々。
月に何度も大森邸は画面の中に登場する。


2階建ての屋敷には、9つの和室と3つの控室のほかに、台所、浴室、トイレが2つ。
2つの和室をつなげて大広間として使うことも出来る。
部屋をぐるりと取り囲むように廊下があり、庭に面した南東側はすべて大きな窓になっている。


大森邸和室


大森邸廊下


所有者の大森氏は、屋敷の隣に自宅を建てて住んでいる。
先々代が残した広大な庭と屋敷を維持するため、部屋の貸し出しをしているという。
壁や床の修理も、特別な技術を持った専門の業者にしか任せられない。
メンテナンスに桁違いの費用がかかるのだ。

また、週に2日はすべての雨戸を開閉して空気の入れ替え。
そのためのお手伝いさんを雇っている。
何しろ北側を除くと、広大な2階建の建物の外壁はほとんど窓なのだ。
慣れた人間でも、すべて開けるのに1時間はかかるという。


最初は、茶会や各種会合に貸し出しをしていた。
茶を立てる炉のついた部屋が5つもあり、最大300名が収容可能。
しかし秀吉の大茶会でもあるまいし、今の日本でそれほどの需要はなかった。

そこで、着物のカタログ撮影に貸し出したところ、大変な好評を博した。
その写真がテレビ制作会社の目にとまり、ロケの依頼が入るようになったという。

今ではおそらく週に2、3本は撮影が行われているようだ。
撮影時にはロケ車が何台か塀沿いに停まっている。
表門を忙しく出入りするスタッフに声をかけると、作品名や放送日を教えてくれる。
CMはクライアントに対する守秘義務があるため教えてくれないが。


前述の「滄浪泉園」のように行政の手に託すと、面白みのある使い方は出来ない。
入場料(おとな100円)は取られるし、いつ行っても変わり映えのしない景色(それはそれで大切だが)。
イベントと言っても、おカタい講座かまちあるきツアーの立ち寄りどころ程度。

ロケ地になれば、いろいろな設定で屋敷を生き返らせることが出来る。
大森氏は、ロケ地として貸出すことで維持費用を工面し、大切な屋敷を守っているのだ。
伝統ある大森邸を末永く残していくため、これからも多くのロケ隊に来てもらいたいものである。

052.jpg


あくまで私見ですが。あしからず。



【東京都小金井市のロケ地 No.001】

大森邸
大森邸
住所   東京都小金井市東町5-7-15
連絡先等詳細は、こがねいロケよび隊ホームページへ
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