隊長たむの、 「あくまで私見ですが。」

フィルムコミッションを始めた書店員主婦のよもやま話

2016年03月の記事

『千と千尋の神隠し』のモデルで知られる江戸東京たてもの園。 もっともロケに使われているのは意外なスポットだった!

スタジオジブリは東京都三鷹市にあると思われがちだが、それは美術館。
実際にアニメを制作するスタジオは小金井市にある。

スタジオジブリ


JR東小金井駅北口より徒歩でアクセス可能。
複数のスタジオをはじめ、宮崎駿氏のアトリエや従業員向けの保育園が点在する。
一部住民は「ジブリ村」と呼ぶ。

ジブリ関連マップ


スタジオジブリはこれまで、小金井市の風景を様々な作品に採り入れてきた。
詳しくは、まとめサイトを参照いただくとして。
http://matome.naver.jp/odai/2138383057512254601

※補足1
千ら湯女が寝泊まりする建物は、江戸東京たてもの園の高橋是清邸。
高橋是清邸外観2

高橋是清邸2階窓


※補足2
映画『コクリコ坂から』に登場する肉のとんぺいは、2014年10月に閉店。



特に江戸東京たてもの園は、駿氏が『千と千尋の神隠し』の構想を練った場所として知られる。
関連展示も何度か開催され、ジブリの聖地として訪れるファンは多い。

ポスター



また同園は、実写ドラマや映画の撮影にもよく使われている。
いちばん有名で絵になる場所は、子宝湯に向かう下町中通り。

下町中通り
出典 tamaloha.net

だがNHK大河などの美術制作に長年関わっていた知り合いが言っていた。
「子宝湯は真南を向いて建っていて、順光だから使いにくい」そうだ。
つまり、正面からまんべんなく光が当たっているため、立体感が出ない。

※用語説明:順光とは
https://withphoto.jp/glossary/%E9%A0%86%E5%85%89/


こがねいロケよび隊調べによると、実は、もっともロケに使われているのはココ!

長屋全景


たてもの園の東南角に近い、手押しポンプ付きの井戸を囲む長屋の一角。
下町の玄関先でよく見る鉢植えの数々に、木の物干し台。
正式な名前もついていないスポットだ。

井戸と物干し

長屋人なし



下町中通り、丸二商店(荒物屋)と花市(はないち)生花店の間の細道を入る。
気づかずに通り過ぎる来場者も多いだろう。

江戸東京たてもの園マップ
クリックで拡大


NHK連続テレビ小説『おひさま』では、昭和10年ごろの松本市内として。
その他、昭和はじめから30年代ぐらいの下町の風景としていろいろな作品に登場する。
4月から始まる『とと姉ちゃん』でも、きっと使われるだろう。

なんたって、公式ポスター第一弾の背景。
左側の建物が、園内の植村邸と完全一致している。
http://www.nhk.or.jp/totone-chan/special/topix03/

植村邸
出典 InfoAtras



そしてこの場所、入園料(一般400円ほか)を払って入園しなくても見られる。
すぐ東は小金井公園いこいの広場。柵ごしに見てもこの距離。

長屋柵越し



あくまで私見ですが。
江戸東京たてもの園は、横から裏から見るともっと面白い。



【東京都小金井市のロケ地 No.004】

江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園

・特撮『特捜戦隊デカレンジャー』 木下あゆ美(2004年)
・NHK連続テレビ小説『純情きらり』 宮崎あおい (2006年)
・ドラマ『華麗なる一族』 木村拓哉 (2007年)
・ドラマ『金田一耕助VS明智小五郎』 山下智久 (2013年)   その他多数

連絡先等詳細は、こがねいロケよび隊
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歌舞伎の演目になったヤクザの元祖、幡随院 長兵衛

「幡随院 長兵衛」
という有名な歌舞伎の演目をご存じだろうか?


幡随院 長兵衛

長兵衛は江戸時代前期の実在の人物で、侠客の元祖と言われている。
侠客とは、任侠を建前とした渡世人の総称。
わかりやすく言うと、弱きを助け強きをくじく男前なヤクザ
同じジャンルでもっとも有名なのは清水次郎長だろう。


芝居での決めゼリフは、
「お若えの、お待ちなせえやし」

小説にもなり、過去には何度も映像化されている。

侠客
小説『侠客』(池波正太郎) 新潮社 (2002年)




テレビドラマ『幡随院長兵衛お待ちなせえ』(1974年)主演:平幹二朗


江戸時代前期、旗本の子息らによる「旗本奴(はたもとやっこ)」という集団が、市中で狼藉を繰り返していた。
それに対し、町人の息子らの集団は「町奴(まちやっこ)」と呼ばれた。
これらに属する若者は総称して「かぶき者」と呼ばれ、チーム同士激しく対立していた。

長兵衛は3千人の子分を抱える「町奴(まちやっこ)」のリーダー。
若いころに喧嘩で相手を殺してしまい死罪になるところを、浅草にあった幡随院の和尚の助命嘆願で命を救われた。
その後幡随院と名乗り、口入れ業(奉公人の斡旋、現代で言う人材派遣業)を営みながらその名を挙げていった。


芝居のクライマックスは、
長兵衛最期のシーン


旗本奴のリーダー水野十郎左衛門は、あるとき酒宴にかこつけて長兵衛を自宅に呼び出す。
酒宴でわざと長兵衛の衣服を汚し、入浴を勧める。
湯に入るために丸腰になった所を襲われ、長兵衛は非業の死を遂げる。

そのころ長兵衛の自宅には、彼自身が注文していた棺桶が届く。
つまり長兵衛は、この酒宴が水野の陰謀であり、行けば殺されるであろうことを予測していた。
それでも逃げずに単身で敵地に乗り込んでいった、長兵衛の男気が胸を打つ。


この幡随院、江戸開幕にあたり徳川家康が神田に創建した由緒正しい寺。
移転と火災による焼失を何度も繰り返し、現在は東京都小金井市にある。
国分寺崖線(ハケ)をまたぐように広がる敷地には、その高低差を生かした立派な庭園。
外からは高い塀に遮られて見えないが、坂に面した東門だけでも絵になる。

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032_幡随院


2013年、この門が一躍スポットライトを浴びた。
連続テレビドラマ『ぴんとこなで、何度もテレビに登場したのだ。
主演は、ジャニーズ事務所の7人グループKis-My-Ft2(キスマイフットツー)の玉森雄太。

歌舞伎の名門に生まれた高校生の主人公が、歌舞伎好きの女の子に恋をして成長するラブコメディー。
幡随院は、主人公が住むお屋敷という設定で使われた。

駅からほど近く、市役所のすぐ脇の道で何度もロケが行われたため、目撃者が続出。
わたしが勤める書店が入っているスーパーの社員食堂は、「玉森くん、見た?」という話題で持ちきりだった。

044.jpg


歌舞伎の演目になり、後世まで伝えられる人気者になった幡随院長兵衛。
その名前の由来となった寺が、歌舞伎役者の自宅としてロケで使われる。


あくまで私見ですが。
こういう偶然があるから、ロケ地って面白い



【東京都小金井市のロケ地 No.003】

幡随院
032_幡随院

その他の画像はこちらをクリック

・ドラマ『ぴんとこな』 玉森雄太、川島海荷 (2013年)
・映画『永い言い訳』 本木雅弘 (2016年10月公開予定)

連絡先等詳細は、こがねいロケよび隊

その日、うちの店は岡田准一に占拠された。

活字離れが進む昨今、月に1冊も本を読まないという人も多いだろう。
ニュースはネットで読めるし、マンガも小説も電子書籍ならかさばらない。
書店で本を買うという行為が、日常ではなくなっている。

つまらない本を買って、時間とお金を浪費したくない。
そんなお客さんのための、大手書店チェーンのレイアウトの定番。
店頭に、週間ランキング映像化コーナーが設けられている。

ランキングに入っているのだから、それなりに面白いのだろう。
映画化するぐらいだから、内容がしっかりしているのだろう。
ドラマの視聴率が良いようだから、原作も面白いに違いない。
そんな気持ちで気軽に買ってもらうための工夫。

映像化すると売れる、というのは確かで、出版社もプロモーションに力が入る。
主演俳優の写真が入った帯(本のカバーの下半分に巻く広告)が、重版する毎に違うパターンに変わる。
最近は通常カバーと同じサイズの映像化カバーも。
(文春文庫がよくやるので、店頭で剥いてみて。下から通常カバーが現れる)

店頭で流すDVDも進化。
少し前までは予告編の最後にチラッと書籍情報が映るぐらいのものだった。
最近では、主演俳優たちが冒頭で「○○書店にお越しのお客さま」と声を合わせる。
大手チェーン向けだけでも、何テイク撮るのだろう。
俳優が芝居以外にいろいろやらされるようになったことに同情する。

映像化モニター2



フィルムコミッションの代表をやっているので、映像化には普通の書店員よりも敏感だ。
自分が撮影に関わったり地元でロケがあった作品は、手描きのPOPを付けて目立つ場所に。
地元住民にアピールし、手に取ってもらうという狙いはもちろん。
売れなくても他のスタッフが平台から下げにくい工夫をしている。

赤めだか2




ある時期から、V6岡田准一の映画主演率がものすごい。
シリアスなものからアクション、まさかのラブコメ、時代劇までこなせる幅広さ。
ここ5年間で自分が店頭に品出しした作品をふり返ると。

『コクリコ坂から』(2011年)※声の出演
『天地明察』(2012年)
『図書館戦争』(2013年)
『永遠の0』(2013年)
『軍師官兵衛』(2014年)
『蜩ノ記』(2014年)
『図書館戦争 THE LAST MISSION』(2015年)

といった具合である。

さらに、付き合っているという噂の宮崎あおいの出演本数も凄い。

『神様のカルテ』(2011年)
『ツレがうつになりまして。』(2011年)
『きいろいゾウ』(2013年)
『舟を編む』(2013年)
『神様のカルテ2』(2014年)
『あさが来た』(2015年)
『世界から猫が消えたなら』(2016年5月公開予定)

帯に彼女の顔が載っていると、必然的に岡田准一を連想するわけで。
どこを向いても、このカップルのどちらかの顔が目に入ってくるという状況だ。
(個人的には、早く結婚してほしい。どんな才能を持った子が生まれるのか…)


週間ランキング、映像化と並び、書店で重要なのは季節商品
もっとも売り上げが大きいのがクリスマス。
図書カードも含めると、クリスマスプレゼントに本を贈る人はいまだ多い。
春なら入園入学でドリルや辞書が売れる。

秋から冬にかけては、手帳だ。
毎年10月から翌年1月まで、かなりの売り場面積を割いて手帳をラインナップする。
うちの店では、高橋書店能率手帳が2大勢力。
品出しは店員ではなく、2つの出版社が日程を合わせてやって来て、売り場作りを行う。


2014年の秋。
出勤すると、その光景は広がっていた。


映像化コーナーには、『軍師官兵衛』『蜩(ひぐらし)ノ記』
鎧兜に身を包んだ岡田准一と、ちょんまげを結った岡田准一。

そしてその隣には。
スーツを着てスマートにたたずむ岡田准一の特大パネル
数々のPOP。

NOLTY2.jpg


そう、その秋、能率手帳がNOLTY(ノルティ)にブランドを変更。
イメージキャラクターに岡田准一を起用し、大キャンペーンを展開したのだ。
映像化だけでなく、手帳まで…!

うちの店の通路に面した売り場は、
岡田准一に占拠されてしまった。




そして今。
映画『エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)』が公開直前。
文庫は2つの出版社から出ており、上下巻やカバー違いを合わせて5面展開。
モニターには主演俳優たち3人が並んでコメントしている。

エヴェレスト面陳



そして、1月はじまりに比べると細々とだが、4月はじまりの手帳コーナー。
もはやポスターは映画と手帳で一体化!

3つの出版社が会社の垣根を越えて
岡田准一でつながっている。


スゴイな、岡田准一。

手帳売り場



岡田准一に限らず、活字不況の中、ジャニーズ事務所の力は偉大だ。
どうやって調べるのか、ファンはどんな小さな記事でも嗅ぎつけて、発売前の雑誌を予約する。
閲覧用と保存用に同じものを2冊ずつ!

NHKの朝ドラや大河ドラマをきっかけにジャニーズに転ぶ年配のご婦人も。
困るのは、雑誌のバックナンバーを取り寄せたいという時。

ジャニーズのタレントは、ネット上で写真を使用することが出来ない。
号数を特定するために誌名で検索すると、
表紙写真がシルエット


KINKI.jpg
これはKinki Kidsだと推測できるが。


TVガイドプラス
嵐なのかV6なのか、もしかしてSexy Zoneとかいうやつ?


あくまで私見ですが。
ジャニーさん、そこまで神経質になることないんじゃないですか?


(多分この記事もそのうち削除されるな)



【東京都小金井市のロケ地 No.002】

東小金井南口商店街
037_東小金井南口商店街_convert_20160307013719
その他の画像はこちらをクリック

・映画『福福荘の福ちゃん』 大島美幸(森三中) (2014年)
・ドラマ『赤めだか』 二宮和也、ビートたけし (2015年)

連絡先等詳細は、こがねいロケよび隊
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