隊長たむの、 「あくまで私見ですが。」

フィルムコミッションを始めた書店員主婦のよもやま話

カテゴリー "ロケ地" の記事

巫女じゃなくても神楽は踊れる?! 小金井神社の懐の深さよ。

多少大きい神社には、神楽殿が付き物。
神楽(かぐら)とは、神に奉納される歌と踊り。
扇や鈴を持った巫女による舞いは誰でも見たことがあるだろう。


菅原道真公を祀る小金井神社
もっとも重要な例大祭は、9月に行われる秋まつり。
2日間にわたり盛大に催される。


大太鼓_convert_20160925030653



1日目には、地元に伝わる小金井囃子の子ども向け体験会が開かれる。
子どもたちが神楽殿に上がり、笛に合わせて太鼓をたたいて楽しむ。




夜は神楽殿で盛大なカラオケ大会
演歌や昭和歌謡が大音量で流れる光景はノスタルジー。
地元の連による阿波踊りの演舞も。
とにかく何でもアリの神楽殿



ロケも数多く行われてきた。
驚くのは、境内だけでなく神楽殿でも撮影が行われているところだ。
歌と踊りなら、たとえどんなジャンルでもOKらしい。


例えば女子高生によるチアダンス

ダンドリ入場

ダンドリ神楽

(ドラマ『ダンドリ。』より)

ダンドリタイトル


加藤ローサ演じるチアダンス部のメンバーが、神社の娘という設定。
小金井神社だけでなく周辺の天神橋などでもロケが行われた。



例えば1960年代後半に一世を風靡したグループサウンズ

GSタイトル


GS.jpg

(映画『GSワンダーランド』より)

よく見ると、提灯に書いてあるスポンサー名に地元で馴染みの名前が。
小道具として貸し出したのか。



小金井神社は、ロケにとどまらず、新しい試みに対してもオープンだ。
小金井市とその周辺の選りすぐりのモノが集まる月いちイベント「はけのおいしい朝市」。
2013年からは、年に1回小金井神社で開催している。

はけいち



また境内には不思議な構造物が。
使われなくなった石臼を集めて祀った、全国唯一の石臼塚
鎮守の森の奥に鎮座するその姿は、まるで古代遺跡

石臼塚_convert_20160925031109




あくまで私見ですが。

ポケモンGOを禁止するような神社は料簡が狭い。
この懐の深い小金井神社を見習えと言いたい。



【東京都小金井市のロケ地 No.006】

小金井神社
小金井神社_convert_20160925031035


・ドラマ『ダンドリ。』永倉奈々(2006年)
・映画『GSワンダーランド』水嶋ヒロ(2008年)

連絡先等詳細は、こがねいロケよび隊
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美味しんぼに登場した「究極の豆腐」。つくったのは、小金井の豆腐屋!

スーパーマーケットやコンビニが増えて、肉や魚などの小売店は今では少ない。
それでも豆腐屋は、見渡せばまだ町のあちこちで見かける。
ほとんど店舗がない商店街にポツンと残る「最後の砦」のような店も。


普段の買い物はもっぱらスーパーだが、気が向くとそんな店に寄ってみる。
その日は、武蔵小金井駅から徒歩5分、ゆるい坂の途中にある福田屋豆腐店へ。

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店頭には、豆腐、油揚、生揚等の価格表が貼られているだけで、商品は陳列されていない。
豆腐はまだ、大きな水槽の中に沈んでいる。
恐る恐る木綿豆腐を一丁頼んで待つ。

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ふとショーケースに目をやると、側面にベタベタと写真が。
あ、若い頃の唐沢寿明。
「美味しんぼ(TV)豆腐の対決」と書いてある。
え、え、ここでロケを?

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豆腐を包んで出てきた白髪の店主。
一目での唐沢寿明の右に写っている男性だと分かる。
お会計を済ませ、すかさず「これ、いつの写真ですか?」
すると店主は嬉しそうに、「20年ぐらい前かなぁ。豆腐対決の回でね」と話し出す。

福田屋豆腐店の登場シーンは2回。
①00:34:42-00:37:20
②01:02:30-01:05:40




店のつくりは今もほとんど変わらない。
外観も、ドラマに登場したガス釜も当時のままだ。

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ご主人と奥さん2人、息の合った作業。
かけ流しの水槽に、大きな長方形の豆腐の塊を、容器から開け放ち。
大きな包丁でスッスッと切り分けていく。

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聞けばご主人、豆腐をつくり続けて60年。
元は駅前で創業し、中央線の高架化計画に伴う立ち退きで、今の場所へ移転してきたとのこと。
後継者がおらず体もつらくなる一方なので、あとどのぐらい続けられるか分からないと言う。
この手作りの豆腐、味わえるのはあと数年かも知れない。


ひとしきり写真撮影をして店頭に戻ると、スッと差しだされたリポビタンD。
「暑いから水分摂って」
営業中、いろいろ質問して邪魔をしているのはこちらなのに…
ありがたく頂戴する。

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さらにご主人が奥から別の写真を出してきて見せてくれた。
豆腐を納品していた市内の雑貨屋周辺でのドラマ撮影。
空き地にセットの交番を作って、かなり大がかりなものだったようだ。
この件はまた改めて、今は酒屋になっているその店に聞き込みに行くことにする。


あくまで私見ですが。
昔ながらのまちの豆腐屋は、ネットに落ちていない地元ネタの宝庫だ。



【東京都小金井市のロケ地 No.005】


福田屋豆腐店
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東京都小金井市前原町3-39-8



・ドラマ『美味しんぼ4』「究極VS至高 心の対決!」
 唐沢寿明、富田靖子、江守徹 (1997年)


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『千と千尋の神隠し』のモデルで知られる江戸東京たてもの園。 もっともロケに使われているのは意外なスポットだった!

スタジオジブリは東京都三鷹市にあると思われがちだが、それは美術館。
実際にアニメを制作するスタジオは小金井市にある。

スタジオジブリ


JR東小金井駅北口より徒歩でアクセス可能。
複数のスタジオをはじめ、宮崎駿氏のアトリエや従業員向けの保育園が点在する。
一部住民は「ジブリ村」と呼ぶ。

ジブリ関連マップ


スタジオジブリはこれまで、小金井市の風景を様々な作品に採り入れてきた。
詳しくは、まとめサイトを参照いただくとして。
http://matome.naver.jp/odai/2138383057512254601

※補足1
千ら湯女が寝泊まりする建物は、江戸東京たてもの園の高橋是清邸。
高橋是清邸外観2

高橋是清邸2階窓


※補足2
映画『コクリコ坂から』に登場する肉のとんぺいは、2014年10月に閉店。



特に江戸東京たてもの園は、駿氏が『千と千尋の神隠し』の構想を練った場所として知られる。
関連展示も何度か開催され、ジブリの聖地として訪れるファンは多い。

ポスター



また同園は、実写ドラマや映画の撮影にもよく使われている。
いちばん有名で絵になる場所は、子宝湯に向かう下町中通り。

下町中通り
出典 tamaloha.net

だがNHK大河などの美術制作に長年関わっていた知り合いが言っていた。
「子宝湯は真南を向いて建っていて、順光だから使いにくい」そうだ。
つまり、正面からまんべんなく光が当たっているため、立体感が出ない。

※用語説明:順光とは
https://withphoto.jp/glossary/%E9%A0%86%E5%85%89/


こがねいロケよび隊調べによると、実は、もっともロケに使われているのはココ!

長屋全景


たてもの園の東南角に近い、手押しポンプ付きの井戸を囲む長屋の一角。
下町の玄関先でよく見る鉢植えの数々に、木の物干し台。
正式な名前もついていないスポットだ。

井戸と物干し

長屋人なし



下町中通り、丸二商店(荒物屋)と花市(はないち)生花店の間の細道を入る。
気づかずに通り過ぎる来場者も多いだろう。

江戸東京たてもの園マップ
クリックで拡大


NHK連続テレビ小説『おひさま』では、昭和10年ごろの松本市内として。
その他、昭和はじめから30年代ぐらいの下町の風景としていろいろな作品に登場する。
4月から始まる『とと姉ちゃん』でも、きっと使われるだろう。

なんたって、公式ポスター第一弾の背景。
左側の建物が、園内の植村邸と完全一致している。
http://www.nhk.or.jp/totone-chan/special/topix03/

植村邸
出典 InfoAtras



そしてこの場所、入園料(一般400円ほか)を払って入園しなくても見られる。
すぐ東は小金井公園いこいの広場。柵ごしに見てもこの距離。

長屋柵越し



あくまで私見ですが。
江戸東京たてもの園は、横から裏から見るともっと面白い。



【東京都小金井市のロケ地 No.004】

江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園

・特撮『特捜戦隊デカレンジャー』 木下あゆ美(2004年)
・NHK連続テレビ小説『純情きらり』 宮崎あおい (2006年)
・ドラマ『華麗なる一族』 木村拓哉 (2007年)
・ドラマ『金田一耕助VS明智小五郎』 山下智久 (2013年)   その他多数

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歌舞伎の演目になったヤクザの元祖、幡随院 長兵衛

「幡随院 長兵衛」
という有名な歌舞伎の演目をご存じだろうか?


幡随院 長兵衛

長兵衛は江戸時代前期の実在の人物で、侠客の元祖と言われている。
侠客とは、任侠を建前とした渡世人の総称。
わかりやすく言うと、弱きを助け強きをくじく男前なヤクザ
同じジャンルでもっとも有名なのは清水次郎長だろう。


芝居での決めゼリフは、
「お若えの、お待ちなせえやし」

小説にもなり、過去には何度も映像化されている。

侠客
小説『侠客』(池波正太郎) 新潮社 (2002年)




テレビドラマ『幡随院長兵衛お待ちなせえ』(1974年)主演:平幹二朗


江戸時代前期、旗本の子息らによる「旗本奴(はたもとやっこ)」という集団が、市中で狼藉を繰り返していた。
それに対し、町人の息子らの集団は「町奴(まちやっこ)」と呼ばれた。
これらに属する若者は総称して「かぶき者」と呼ばれ、チーム同士激しく対立していた。

長兵衛は3千人の子分を抱える「町奴(まちやっこ)」のリーダー。
若いころに喧嘩で相手を殺してしまい死罪になるところを、浅草にあった幡随院の和尚の助命嘆願で命を救われた。
その後幡随院と名乗り、口入れ業(奉公人の斡旋、現代で言う人材派遣業)を営みながらその名を挙げていった。


芝居のクライマックスは、
長兵衛最期のシーン


旗本奴のリーダー水野十郎左衛門は、あるとき酒宴にかこつけて長兵衛を自宅に呼び出す。
酒宴でわざと長兵衛の衣服を汚し、入浴を勧める。
湯に入るために丸腰になった所を襲われ、長兵衛は非業の死を遂げる。

そのころ長兵衛の自宅には、彼自身が注文していた棺桶が届く。
つまり長兵衛は、この酒宴が水野の陰謀であり、行けば殺されるであろうことを予測していた。
それでも逃げずに単身で敵地に乗り込んでいった、長兵衛の男気が胸を打つ。


この幡随院、江戸開幕にあたり徳川家康が神田に創建した由緒正しい寺。
移転と火災による焼失を何度も繰り返し、現在は東京都小金井市にある。
国分寺崖線(ハケ)をまたぐように広がる敷地には、その高低差を生かした立派な庭園。
外からは高い塀に遮られて見えないが、坂に面した東門だけでも絵になる。

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032_幡随院


2013年、この門が一躍スポットライトを浴びた。
連続テレビドラマ『ぴんとこなで、何度もテレビに登場したのだ。
主演は、ジャニーズ事務所の7人グループKis-My-Ft2(キスマイフットツー)の玉森雄太。

歌舞伎の名門に生まれた高校生の主人公が、歌舞伎好きの女の子に恋をして成長するラブコメディー。
幡随院は、主人公が住むお屋敷という設定で使われた。

駅からほど近く、市役所のすぐ脇の道で何度もロケが行われたため、目撃者が続出。
わたしが勤める書店が入っているスーパーの社員食堂は、「玉森くん、見た?」という話題で持ちきりだった。

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歌舞伎の演目になり、後世まで伝えられる人気者になった幡随院長兵衛。
その名前の由来となった寺が、歌舞伎役者の自宅としてロケで使われる。


あくまで私見ですが。
こういう偶然があるから、ロケ地って面白い



【東京都小金井市のロケ地 No.003】

幡随院
032_幡随院

その他の画像はこちらをクリック

・ドラマ『ぴんとこな』 玉森雄太、川島海荷 (2013年)
・映画『永い言い訳』 本木雅弘 (2016年10月公開予定)

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稀代のワルたちが住む、小金井の屋敷?!



東京都小金井市と聞いて、都民でもピンと来ない人は多いだろう。
新宿から中央線で西に約20分のベッドタウン。
住みたい町ナンバーワンの常連、吉祥寺のすぐ先だ。

とりたてて特徴のないその市に、稀代のワルたちが住む屋敷がある。


1人目は、「閣下」と呼ばれる元外務省事務次官。
殺人を犯すも、超法規的な司法取引で保釈となった大悪人

2人目は、防衛庁長官と運輸大臣を歴任した元大物政治家、伏見享一良。
自身の着服を隠すため、元SAT隊員に命じて何人も暗殺させていた極悪人

3人目は、日本政財界のフィクサーと呼ばれていた黒幕・譜久村聖太郎。
自らが自殺に追い込んだ男の娘を手籠めにし、殺して自宅の庭に埋めた大悪党

彼らは皆、桜の大木と高い塀に囲まれた、築100年近い小金井の大邸宅に住んでいる。
3千坪の庭園をそなえた純和風建築のその屋敷は、周辺住民にこう呼ばれている。


「大森邸」


大森邸外観


この屋敷、当初は都心に住む資産家の別荘として建てられたようだ。
明治末期から大正にかけて、このあたりは別荘地として人気があった。

東京の西、武蔵野には、高さ10~20メートルほどの崖が東西に走っている。
これは、古代多摩川が台地を削り取ってできた地形で、国分寺崖線(通称ハケ)と呼ばれる。
中でも小金井市は、その崖がちょうど市の中心部を横切り、湧水が豊富な場所だ。
資産家はこぞって、「ハケ」と湧水をとり入れた庭園つきの別荘を建てた。

高度経済成長による急激な人口増と宅地化を受けて、当時の別荘は現在ほとんど残っていない。
大森邸のほかには、「滄浪泉園(そうろうせんえん)」という都が管理する緑地があるぐらいだ。

大森邸の周囲は閑静な住宅街で、庭園の南側は崖っぷち。
うなるほど金を持っている悪の親玉たちには、ぴったりな住まいである。

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さて、さっきの3人のワルども。
実はすべて、テレビ朝日の人気ドラマ『相棒』の登場人物。
過去14シーズンのうち、大物悪党3人はすべて大森邸に住んでいたのだ。

そう、ここ大森邸は、小金井が誇る都内屈指の「ロケ地」
都心から車で30分の立地の良さも手伝い、ロケの依頼は引きも切らない。

『ハゲタカ』『SPEC』『セカンドバージン』『リーガル・ハイ2』『掟上今日子の備忘録』等々。
月に何度も大森邸は画面の中に登場する。


2階建ての屋敷には、9つの和室と3つの控室のほかに、台所、浴室、トイレが2つ。
2つの和室をつなげて大広間として使うことも出来る。
部屋をぐるりと取り囲むように廊下があり、庭に面した南東側はすべて大きな窓になっている。


大森邸和室


大森邸廊下


所有者の大森氏は、屋敷の隣に自宅を建てて住んでいる。
先々代が残した広大な庭と屋敷を維持するため、部屋の貸し出しをしているという。
壁や床の修理も、特別な技術を持った専門の業者にしか任せられない。
メンテナンスに桁違いの費用がかかるのだ。

また、週に2日はすべての雨戸を開閉して空気の入れ替え。
そのためのお手伝いさんを雇っている。
何しろ北側を除くと、広大な2階建の建物の外壁はほとんど窓なのだ。
慣れた人間でも、すべて開けるのに1時間はかかるという。


最初は、茶会や各種会合に貸し出しをしていた。
茶を立てる炉のついた部屋が5つもあり、最大300名が収容可能。
しかし秀吉の大茶会でもあるまいし、今の日本でそれほどの需要はなかった。

そこで、着物のカタログ撮影に貸し出したところ、大変な好評を博した。
その写真がテレビ制作会社の目にとまり、ロケの依頼が入るようになったという。

今ではおそらく週に2、3本は撮影が行われているようだ。
撮影時にはロケ車が何台か塀沿いに停まっている。
表門を忙しく出入りするスタッフに声をかけると、作品名や放送日を教えてくれる。
CMはクライアントに対する守秘義務があるため教えてくれないが。


前述の「滄浪泉園」のように行政の手に託すと、面白みのある使い方は出来ない。
入場料(おとな100円)は取られるし、いつ行っても変わり映えのしない景色(それはそれで大切だが)。
イベントと言っても、おカタい講座かまちあるきツアーの立ち寄りどころ程度。

ロケ地になれば、いろいろな設定で屋敷を生き返らせることが出来る。
大森氏は、ロケ地として貸出すことで維持費用を工面し、大切な屋敷を守っているのだ。
伝統ある大森邸を末永く残していくため、これからも多くのロケ隊に来てもらいたいものである。

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あくまで私見ですが。あしからず。



【東京都小金井市のロケ地 No.001】

大森邸
大森邸
住所   東京都小金井市東町5-7-15
連絡先等詳細は、こがねいロケよび隊ホームページへ
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